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ブログ 2026年6月2日

なぜすぐに手術せず、漢方薬を検討するのでしょうか?

崔然昇
崔然昇
代表院長

診察室で患者様と向き合っていると、片手にはMRIの結果を、もう片方の手には手術の勧告書を持って来られる方が多くいらっしゃいます。「先生、本当に手術以外に道はないのでしょうか?」という質問を受けるたびに、その切実さがひしひしと伝わってきます。

私も以前、運動中に腰をひどく痛めて同じような悩みを抱えたことがあります。今すぐにでも何かを物理的に「除去」したり「固定」したりすれば、すべての痛みが消えるような気がしますが、私たちの体は機械の部品のように単に入れ替えたからといって、以前のように戻るわけではありません。今日は手術という選択肢の前で悩んでいる方のために、手術の代わりに漢方薬がどのような原理で体の回復を助けるのか、そしてなぜ「構造」よりも「環境」に集中すべきなのか、順を追ってご説明します。

なぜすぐに手術せず、漢方薬を検討するのでしょうか?

多くの方が手術をためらう最大の理由は「可逆性」にあります。一度メスを入れると元に戻せないという恐怖や、手術後も痛みが続く「手術後疼痛症候群」への不安が大きいからです。実際に、変形性関節症や脊椎疾患の場合、飛び出したディスクや摩耗した軟骨そのものよりも、その周辺の炎症浮腫(むくみ)、そして微細な血流障害が痛みの正体であるケースが非常に多いのです。

韓医学では、これを単に骨や軟骨の問題だけとは捉えません。外部の冷たい気や湿った気が体に侵入して気血の循環を妨げる「痺症(ひしょう)」や、血液が正常に循環せずに滞っている「瘀血(おけつ)」の観点からアプローチします。手術が「故障した部品を修理または除去する作業」であるなら、漢方薬は「部品が故障せざるを得なかった汚染された環境を浄化する作業」だと理解していただくと分かりやすいでしょう。急を要する骨折や神経麻痺の症状がある緊急事態でない限り、体自らが回復する機会を先に与えることが賢明な選択となる場合があります。

手術の代わりに漢方薬が集中する「構造」より「環境」の違い

私たちの体を一つの「家」に例えてみましょう。屋根から雨漏りがする場合(痛み)、すぐに屋根を葺き替える手術が必要かもしれません。しかし、もし家の中の湿度が高すぎて柱が腐り、カビが生えて屋根が沈んでしまったのだとしたらどうでしょうか? 屋根だけを新しくしたところで問題は解決するでしょうか。しばらくすれば、また雨漏りが始まるはずです。

漢方薬の処方は、まさにこの「湿度」と「温度」を調節する役割を果たします。

  1. 炎症環境の改善:防風(ぼうふう)白芍薬(びゃくしゃくやく)といった生薬は、関節周辺の浮腫を鎮め、筋肉の緊張を緩和します。
  2. 循環の促進:川芎(せんきゅう)当帰(とうき)は血行を助け、損傷した組織に栄養が届くようにし、老廃物である痰飲(たんいん)の排出を助けます。
  3. 組織の強化:構造的な変形が生じていても、周辺の靭帯や筋肉が丈夫になれば、痛みなく日常生活を送ることが可能になります。

このように、漢方薬は痛みを誘発する化学的環境をまず安定させ、手術なしでも体が自らバランスを取れるように誘導するのが基本となります。

漢方薬で手術並みの痛み制御が本当に可能でしょうか?

「漢方薬は効果が穏やかで、今すぐの痛みにはあまり役に立たないのでは?」と聞かれることがあります。しかし、これは誤解です。韓医学には古くから、激しい痛みを抑える強力な処方が受け継がれてきました。

例えば、関節の節々が虎に噛まれるように痛むという「歴節風(れきせつふう)」や、現代の痛み疾患に用いられる「九味羌活湯(くみきょうかつとう)」といった処方が代表的です。これらの処方には、羌活(きょうかつ)独活(どくかつ)細辛(さいしん)のように鎮痛効果に優れ、滞った気を突き通す生薬が調和よく構成されています。

特に、夜間に痛みがひどくなったり、天気が悪い時に体が重くなったりする症状は、体内の寒湿(かんしつ)が原因であることが多いのですが、この場合は温かい性質の生薬で腠理(そうり、皮膚のきめ)を開いて汗をかかせたり、尿として老廃物を排出させたりすることで、痛みを即座に緩和することもあります。手術が神経を遮断したり構造を変えたりする方式なら、漢方薬は神経を刺激する毒素を洗い流し、痛みの根源に触れる方式だと言えます。

歴節風(れきせつふう)と炎症の連鎖を断ち切る韓医学的メカニズム

ひどい関節の痛みを、韓医学では「白虎歴節風(びゃっこれきせつふう)」と呼びました。まるで白虎(白い虎)が関節を噛み砕くような激しい痛みという意味です。過去の記録を見ると、このような痛みの原因を「血液が熱を受けて沸き上がり、急に冷たい水や風に当たって濁り、固まったもの」と見ていました。これを現代的に解釈すれば、慢性的な炎症反応や血栓、そして自己免疫反応に該当します。

このような状況で、むやみに手術で削ったり固定したりすることは、体にさらなるストレスを与える可能性があります。代わりに「拈痛散(ねんつうさん)」のような処方を活用して湿布をしたり、気血を疎通させる漢方薬を服用したりすると、固まっていた瘀血(おけつ)が解け、魔法のように痛みが軽減する経験をすることになります。

  • 辛温(しんおん)な生薬:冷たく湿った気を追い払います。
  • 気血和合:気と血が調和して流れれば、病は自然と安定に向かいます。

単に痛みの数値を下げるだけでなく、なぜ自分の体が炎症を自ら処理できずに溜め込んでいたのかを解決することが、手術の代わりに漢方薬を選択した際に得られる最大の利点です。

メスを入れる前に体の回復力を点検すべき理由

手術は最終手段であるべきです。構造を変えるのは早いですが、その構造を支える力は、結局のところ患者様ご自身の「正気(せいき)」から生まれるからです。気力が衰えていたり、普段から消化力が落ちて「脾虚(ひきょ)」の症状がある方は、手術後の回復速度が著しく遅く、むしろ合併症で苦労されるケースをしばしば目にします。

私は患者様に「今、自分の体に自ら傷を癒やすエネルギーが残っているか」をまず確認してほしいとお伝えしています。漢方薬はそのエネルギーを補う役割を果たします。筋骨格系疾患であっても、結局のところ栄養を供給するのは消化器系であり、炎症を抑えるのは免疫系だからです。

もし3ヶ月ほど集中的な韓方治療を受けたにもかかわらず症状の進展が全くない場合や、排泄障害、あるいは麻痺症状が進行する場合は、その時に手術を考慮しても遅くはありません。しかし、ほとんどの慢性疼痛患者様は、漢方薬を通じて体の環境を変えるだけでも、手術なしで健康な日常に復帰されています。

よくある質問

Q. ヘルニアの破裂で手術を勧められましたが、漢方薬で吸収させることは可能ですか?

はい、可能です。破裂したディスクの破片は、体内で「異物」と認識され、免疫細胞によって自然に吸収されるプロセスをたどります。この時、漢方薬は免疫反応を活性化し、周辺の炎症と浮腫を素早く鎮めて吸収プロセスを促進する役割を果たします。神経圧迫による炎症さえうまく制御できれば、手術なしでも痛みが消える事例は臨床では非常に一般的です。

Q. 手術後に気力が全くないのですが、この時に飲む漢方薬も「手術の代わりの漢方薬」と種類が違うのでしょうか?

手術前は痛みの制御と炎症の緩和に集中しますが、手術後は損傷した組織の再生と気力の回復に焦点を当てます。手術によって損傷した気血を補充する十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)の系統や、瘀血を除去する処方を用います。しかし、最も良いシナリオは、手術前に漢方薬を通じて体のコンディションを上げ、手術自体を回避するか、たとえ手術をすることになっても回復力を最大化しておくことです。

今すぐメスを入れなければならないという言葉に、あまり怯えないでください。私たちの体は想像以上に強い自生力を持っており、漢方薬はその自生力が十分に発揮されるよう助ける心強いサポーターとなってくれるはずです。さらに気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

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崔然昇

崔然昇 代表院長

15年の臨床経験と精密なデータ分析に基づき、ダイエットから難治性疾患まで、体のバランスを取り戻す統合治癒ソリューションを提案します。

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