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アトピーの原因 - 皮膚バリア機能とpHコンディショニング
ブログ 2025年1月20日

アトピーの原因 - 皮膚バリア機能とpHコンディショニング

崔然昇
崔然昇
代表院長

皮膚のpHについてだけでも、一冊の本になるほどの分量です。皮膚は弱酸性の状態で最もよく機能することが知られています。

もう少し詳しく見ていきましょう。

表皮層のpH勾配

表皮層でもpHの勾配が形成されています。角層(SC層)でのみ特に弱酸性に近く高度化しており、その下層はpH7に近接します。

図の出典: Desquamation: It Is Almost All About Proteases

ピンク色に見えるものは、角質細胞と角質細胞を接着させるコルネオデスモソームタンパク質です。これらも層によって分布が異なり、表皮層の分化調節が重要です。

角質細胞間結合とDesquamation

角質細胞間結合であるデスモソームと、それに用いられるタンパク質は、細胞を物理的に密着させています。ちなみに、このデスモソーム結合が切れて角質細胞が剥がれ落ちる現象を、Desquamation(落屑)と呼びます。

内容出典: Wohlrab, J., Gebert, A., & Neubert, R. H. H. (2018). Lipids in the Skin and pH. Current Problems in Dermatology, 64–70. doi:10.1159/000489519

角層(SC層)を拡大して見ると、様々な酵素(enzyme)が活性化できる最適pH範囲が異なります。pHの変化が酵素活動のトリガーとなり、適切な状態で機能できるようにしています。

カリクレインの役割

カリクレインは、角質細胞間のデスモソームを分解することで、角質細胞が剥がれ落ちる(脱却する)役割を担っています。過度に活性化されると、皮膚バリア機能の弱化を招く可能性があります。

Danby, S. G., & Cork, M. J. (2018). pH in Atopic Dermatitis. Current Problems in Dermatology, 95–107. doi:10.1159/000489523

pH上昇の結果

様々な原因によってpHが上昇する状況を、以下の4つのカテゴリーに分類できます。

  1. 抗菌防御(Antimicrobial defense)が抑制される。
  2. 皮膚バリア機能が低下する。
  3. 炎症が発生する。
  4. かゆみが発生する。

アトピー患者におけるpH変化

アトピー患者においてpHを正常皮膚と比較した研究によると、アトピー患者ではpHが上昇していることが分かっています。これにより、皮膚バリア機能は弱まり、慢性的な炎症経過が繰り返されます。

要約

  • 皮膚では、角質層へ向かうにつれてpHは層によって勾配を示し、非常に精巧に調節されている。
  • 皮膚pH調節の精巧さが失われる(低下する)場合、多くはpH上昇として現れる。
  • これにより、様々な皮膚症状の悪化および繰り返しを招く。
  • 弱酸性クレンザー、弱酸性トナーなどを使用する。

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崔然昇

崔然昇 代表院長

診療をしていると、いくつもの場所を巡ってもなかなか良くならず、心まで疲れてしまった方によくお会いします。そうした方々を長くそばで見守るうちに、自然と「治りにくい病」に心を寄せるようになりました。答えを求めて、一つの立場だけにとどまることはありませんでした。体がストレスに適応し、また崩れていく過程を見つめる現代の研究、機能医学と統合医療の視点、そして長い韓医学の伝統 — さまざまな観点をともに並べて考えながら、お一人の体を理解しようと努めています。2010年から今日まで、同じ病でもお一人お一人、体の環境が異なるという思いで処方を組み立てています。

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