乾癬の原因は? ケラチン過角化現象
今日は乾癬に関するテーマの中から、ケラチンについて見ていきましょう。ケラチンは細胞骨格(cytoskeleton)を構成する要素の一つです。細胞骨格とは、細胞が三次元的にその形状と構造を維持するために用いられる成分群を指します。まるで建物を建てる際に鉄筋とセメントで骨組みを作るのと似ていると言えるでしょう。
細胞骨格の構成要素
細胞骨格を構成する要素は、大きく分けて三つのタイプに分類されます: microtubule、actic filament、intermediate filament。この中でintermediate filamentに該当するのが、まさにケラチンです。
ケラチンは、哺乳類において細胞骨格の主要な構成要素として頻繁に利用されます。Making Sense of the Epithelial Barrier: What Molecular Biology and Genetics Tell Us About the Functions of Oral Mucosal and Epidermal Tissues
上記の図をご覧いただくと、basal epithelial cell内にケラチンフィラメントがテントのポールのように四方八方に伸び、細胞の形態を維持する役割を果たしています。このケラチンは、細胞壁の部位で隣接する細胞とデスモソーム結合を介して細胞同士が連結し、物理的に強固な構造を形成します。これは、レゴブロックを繋ぎ合わせて頑丈な構造を作るのと似ています。
多様なケラチンの存在
ケラチンには様々な種類が存在します。哺乳類では約50種類以上のケラチンが用いられています。ケラチンは番号で分類され、細胞の部位や用途に応じて異なるケラチンが発現し、細胞の機能と形状を決定します。
髪の毛には主にK31、K35、K81、K85、K86などのケラチンが用いられ、表皮層にはK1、K2、K5、K9、K10、K14などが用いられます。このように、異なる組織や細胞では異なるケラチンが発現して機能しています。
口腔粘膜とケラチン
口腔粘膜では、表皮層とは異なるケラチンが用いられます。粘膜には角質層(SC)がなく、浅層で用いられるケラチンの種類もK4、K13と異なります。
Zhang, L. (2018). Keratins in Skin Epidermal Development and Diseases. Keratin.
表皮におけるケラチン
表皮層は、基底層、有棘層、顆粒層、角質層に区分されます。基底層では主にK14が用いられます。K10ケラチンは基底層にも存在し得ますが、主に有棘層、顆粒層、角質層で用いられます。これは、細胞の機能を異ならせるために、異なるケラチンが発現した結果です。
ケラチン変異と疾患
表皮におけるケラチン発現過程に問題がある場合、K14遺伝子変異による水疱性、炎症性疾患が現れることがあります。一方、K10の変異では、角質過角化などの形態が現れることがあります。乾癬では、K10の変化によりK16、K17などのケラチンが現れます。
ケラチンの違いと乾癬
乾癬では、角質過角化、表皮層の厚さの変化などが観察されます。このような変化は、本来使用されていたケラチンの材料が異なることと関連しています。
Differential Evolution of the Epidermal Keratin Cytoskeleton in Terrestrial and Aquatic Mammals
一般的な人の表皮層では、主にK5、K14、K1、K10が用いられます。しかし、乾癬などの場合にはK6、K16、K17が用いられ、これらはイルカの厚い表皮層で主に用いられるケラチンです。
要約すると、乾癬では角質過角化と表皮層の厚さの変化が観察され、これはケラチン材料の変化と関連しています。