背中がつる理由
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ただ寝て起きただけなのに、背中にナイフが刺さったかのように思わず「痛っ!」と声が出てしまうほどの痛み。息をするだけでも、首を回すだけでも、ズキッと痛んだり、凝り固まったりするその感覚。私たちはこの痛みを「筋違い」と呼んでいます。一体、私の背中で何が起こっているのでしょうか?多くの方が筋違いを「一日二日で治る程度の筋肉痛」と軽く考え、湿布を一枚貼って我慢していることでしょう。しかし、もしその筋違いが、特に頻繁に繰り返されるようであれば、私たちの体が発する、より深い構造的・機能的な問題が隠れているサインかもしれません。
はじめまして。15年間、数多くの筋違いの患者様の慢性的な痛みの原因を突き止め、解決に導いてきた白鹿潭(ペクロクタム)漢方医院のチェ・ヨンスン院長です。
今日この文章を最後までお読みいただければ、「筋違い」の本当の正体は何なのか、なぜ自分だけ頻繁に起こるのか、そして厄介な筋違いを予防する根本的な解決策まで、すべてお分かりいただけるはずです。
「筋違い」、凝り固まった筋肉と筋膜
私たちが普段「筋違い」と呼ぶ症状の、医学的に最も近い名称は「急性筋筋膜性疼痛症候群(Acute Myofascial Pain Syndrome)」です。少し難しい名前ですよね?分かりやすくご説明しましょう。
私たちの筋肉は「筋膜(ファシア)」という非常に薄く透明な膜にラップのように包まれています。まるでソーセージを包む薄い皮のように。健康な筋膜はスムーズに伸び縮みしますが、様々な原因によってこの筋膜が凝り固まり、癒着すると、激しい痛みを引き起こす「しこり」ができます。これを「疼痛誘発点(トリガーポイント)」と呼びます。「筋違い」とは、まさにこの筋膜に硬いしこりができ、周囲を引っ張りながら身動きが取れなくなる状態なのです。
では、このしこりはなぜできるのでしょうか?
- 誤った姿勢 - 最もよくある原因です。寝ている間に首を無理な体勢でひねる姿勢、長時間コンピューターの前で猫背で座っている姿勢は、背中の筋肉と筋膜に持続的な緊張を与え、筋違いを引き起こします。
- ストレスと疲労 - 精神的なストレスと肉体的な過労は、私たちの体の交感神経を亢進させ、筋肉を常に緊張状態にします。このような緊張が蓄積されると、ちょっとした動きでも簡単に筋違いを起こしやすくなります。
- 突然の動き - 準備運動なしに突然重い物を持ったり、無理な運動をしたりする時、筋膜が損傷し、筋違いが発生することがあります。
ところで、もし上記の3つに特に当てはまらないのに筋違いが繰り返し起こるようであれば、私たちは全く別の場所に「意外な原因」を探る必要があります。
湿布を貼っても効かなかった理由、犯人は「背中」ではありませんでした
「湿布を貼ってマッサージを受けてもその場しのぎで、翌日にはまた痛くなる。」もしあなたもこんな経験をして、もどかしい思いをされましたか?もしかしたら、私たちはずっと間違った場所を治療していたのかもしれません。背中の痛みの本当の根源は背中ではなく、全く別の場所にある可能性があるからです。
関連痛(Referred Pain)
私たちの体の神経はまるでクモの巣のように複雑に絡み合っています。そのため、問題のある臓器からの痛みの信号が、全く別の部位の皮膚や筋肉で感じられることがあります。これを「関連痛」と呼びます。まるで心臓の問題の信号が左腕で感じられるように。そして驚くべきことに、私たちの「背中」は「消化器」と非常に密接な神経を共有しています。
消化不良が「筋違い」を引き起こす理由
特に胃と食道は「迷走神経」などを介して、背中の中心部の筋肉と直接的に繋がっています。もし消化不良や胃炎、胃痙攣などで胃腸に過度な負担がかかると、その緊張信号と痛み信号がそのまま背中の筋肉へと伝わります。その結果、背中の筋肉は無意識のうちに過度に緊張し凝り固まり、「筋違い」を起こすことになるのです。
[消化器関連痛チェックリスト]
- 特に消化が悪かったり、食べ過ぎた日に、背中に筋違いが起こりやすい。
- 背中をマッサージしてもその場しのぎで、根本的な痛みは消えない。
- 背中の痛みと共に、みぞおちの不快感や腹部膨満感など、消化器症状を伴う。
このうち1つでも当てはまるなら、あなたの厄介な背中の痛みの根本原因は「消化器」である可能性が非常に高いです。
筋違いになった時、そして予防のためのガイド
これで本当の原因が分かったので、正しい解決策を見つけましょう。
今すぐ!「筋違い」を和らげる応急処置
突然の痛みで身動きが取れない場合は、以下の方法を試してみてください。
温湿布か冷湿布か?
痛みが発生した直後、24時間以内の急性期には、炎症を鎮めるために冷湿布の方が効果的である場合があります。しかし、ズキズキする痛みが和らぎ、筋肉の凝り固まった感じだけが残った場合は、温湿布で血行を促し、筋肉を柔らかくほぐすのが良いでしょう。
超簡単ストレッチ:
痛みがそれほどひどくない場合は、四つん這いの姿勢で背中を丸めたり反らしたりする「キャット&カウ(猫と牛のポーズ)」は、凝り固まった背中の筋肉を優しく伸ばす、最も安全で効果的なストレッチです。
再発を防ぐ根本的な管理法
本当に重要なのは、再発を防ぐことです。
[最も重要なこと] 消化器の管理:
もしあなたの筋違いが消化不良と伴って現れる場合、背中を治療すると同時に、胃腸を楽にする食習慣を身につけることが最も根本的な解決策です。温かく消化の良いものをよく噛んで食べ、食べ過ぎや夜食を避け、消化器に負担をかける原因から断つ必要があります。
正しい姿勢を保つ:
もちろん、姿勢の問題も無視できません。コンピューターのモニターは目の高さに合わせ、寝るときは高すぎたり低すぎたりする枕は避け、背中の筋肉に不必要な緊張が蓄積されないように注意する必要があります。
このように、痛みが現れる「背中」と、痛みの根本原因となる「消化器」を一緒にケアすることが肝心です。
「こんな時は」ただの筋違いではありません
ほとんどの筋違いは、今日ご紹介した方法で十分に管理できます。しかし、もし以下のような「危険信号」が伴う場合は、これは単なる筋肉の問題ではなく、「椎間板ヘルニア」など脊椎神経の問題である可能性があるため、必ず病院で精密検査を受ける必要があります。
[危険信号チェックリスト]
- 筋違いと共に手足のしびれや感覚異常を伴う。
- 休息を取っても痛みが1週間以上続くか、だんだんひどくなる。
- 排泄障害や歩行障害が現れる。
筋違い治療の「ゴールデンタイム」
筋違いが年に1、2回起こる程度を超え、1ヶ月に何度も繰り返されるようであれば、これは私たちの体の構造的(姿勢)、機能的(消化器)なアンバランスが深刻であるという強い信号です。痛みが慢性化する前に、そして湿布に頼ることが習慣になる前に、根本原因を見つけて解決する「今」が、まさに最も重要なゴールデンタイムなのです。
今日は背中に起こる筋違いについて学びました。しかし、多くの方が苦しむ肩や首に起こる筋違いは、また別の原因と解決策を持っています。これについては、近いうちに機会があれば詳しくご紹介したいと思います。
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