カロリー計算アプリ — BMR公式からTDEE、食事記録まで
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診察室でダイエット相談を受けていると、必ずと言っていいほど聞かれる言葉があります。「先生、本当に少ししか食べていないのに、どうして痩せないんでしょうか?」私自身も同じ悩みを持ったことがあるので、そのもどかしい気持ちはよく分かります。しかし、いざ一日中食べたものを書き出してもらうと、ご本人も驚かれることが多いのです。人間の記憶は、意外とカロリーに対して寛大だからです。そこでダイエット初期にまずおすすめするのがカロリー計算アプリです。頭で推測することと、実際の数字を目にすることは全く別の体験です。今日は、アプリが採用している計算公式の原理から、結果の読み解き方、そして数字だけでは見落としがちなポイントまで整理してお伝えします。

カロリー計算アプリが採用している公式の正体
ほとんどのアプリの裏側では、2つの公式のうちどちらかが動いています。Mifflin-St Jeor(ミフリン・セントジョール)式とHarris-Benedict(ハリス・ベネディクト)式です。「CalZen」のカロリー・マクロ計算機はMifflin-St Jeorを使い、「Chaejjikdan(チェッチッタン)」や「Sparkful」などはHarris-Benedictを使っていると案内しています。どちらの公式も、性別・年齢・身長・体重を入力すれば基礎代謝量(BMR)、つまり、じっと横になっているだけでも消費されるカロリーが算出されます。これに活動量を掛け合わせた値が総消費エネルギー量(TDEE)です。ダイエットアプリで「推奨摂取カロリー」として表示される数字は、このTDEEから一定の幅を引いた値です。アプリが高度な人工知能を回しているわけではなく、実は数十年前からある栄養学の公式をそのまま適用しているのです。

実際の数字でシミュレーションしてみましょう
言葉だけでは抽象的なので、例を挙げてみます。「Chaejjikdan」の計算機の案内を見ると、ダイエットが目標の場合、TDEEから500 kcalを引くよう推奨しています。これは1週間に約0.5 kg減量するペースに相当する幅だそうです。「Sparkful」の計算機はもう少し保守的で、−200 kcal程度だけ引くよう案内しています。ですから、もしTDEEが2,200 kcalと出たなら、ダイエット中の摂取カロリーは1,700〜2,000 kcalの間のどこかに設定されます。食事記録アプリ側では、食べたものを入力すれば自動的に計算されます。「Diet Shin(ダイエットシン)」は、海苔巻き1本、サムギョプサル150gといった具合に入力すれば、1回分のカロリーと栄養成分を自動で算出してくれます。「FatSecret」は摂取カロリーはもちろん、炭水化物・タンパク質・脂質(g)まで分けて表示し、「In-Out(インアウト)」のような韓国のアプリは50万個以上の食品データベースを持っており、韓国料理メニューの検索に強いのが特徴です。

結果をどのように読み解くべきか
推奨摂取カロリーが1,800 kcalと表示された場合、この数字をどう解釈すればよいでしょうか。「CalZen」の資料によると、ほとんどの成人の1日の必要カロリーは1,600〜3,000 kcalの範囲に収まるといいます。活動量が少ない方は下限寄り、運動量が多い方や体格が大きい方は上限寄りに分布します。自分の数字がこの区間に入っていれば、まずは「公式が正常に機能した」と考えてよいでしょう。一つ必ず覚えておいていただきたいのが、「Sparkful」の案内にもあるように、基礎代謝量(BMR)未満には絶対に下げないことという原則です。早く痩せたいからとBMRより低く食べ始めると、体が危機信号を受け取り、代謝そのものを低下させてしまいます。そうなると、痩せるどころか停滞期に早く陥ってしまいます。アプリの赤い数字(目標超過)ばかりを気にして、この罠にハマる方を診察室でよくお見かけします。
公式が当てはまらないケースも確かにあります
公式ベースの計算機には限界があります。第一に、公式は平均値を基に作られたモデルであるため、個人のホルモン状態や甲状腺機能などの変数は反映できません。第二に、食品の実際の吸収率は入力値と異なる場合があります。同じ100 kcalでも、加工食品と自然食品ではインスリン反応から満腹感まで変わってきます。第三に、食品データベースの1回分の基準が、実際に食べた量とズレていることが多いです。海苔巻き1本でも、店によって大きさが違いますよね。精度を少しでも高めるためには、食事の直後に記録する習慣をつけ、可能であれば1日3回、決まった時間に入力することをお勧めします。数日分をまとめて書こうとすると記憶の補正が入り、実際よりも約20%少なく記録してしまう方が多いのです。臨床で患者さんの食事日記を見ていると、ほぼ共通して見られるパターンです。


数字と併せてチェックすべき指標
カロリーだけを見つめていると、肝心なことを見落としがちです。併せてチェックすべき指標をいくつか挙げておきます。
- 体重と体脂肪率を分けて追跡する: 同じ1 kgの減量でも、筋肉が落ちた1 kgと脂肪が落ちた1 kgでは全く結果が異なります。家庭用の体組成計でもよいので、定期的に同じ時間に測るのが役立ちます。
- PFCバランス(炭・タン・脂): 「FatSecret」や「In-Out」などのアプリは、カロリーだけでなく炭水化物・タンパク質・脂質(g)を分けて表示してくれます。タンパク質が不足するダイエットは筋肉量の減少につながりやすいため、g単位で意識してみましょう。
- 活動量の連動: 「MyFitnessPal」は50以上のアプリやデバイスと連携でき、運動による消費カロリーも一緒に把握できます。摂取カロリーだけでなく、消費カロリーも併せて見ることでバランスが整います。
- 睡眠とコンディションのメモ: アプリに食事だけでなく、その日の体調を一行でも書き留めておいてください。過食してしまった日は、睡眠不足の翌日であることが非常に多いのです。
価格帯についても触れておくと、「FatSecret」は無料で利用でき、「MyFitnessPal」は基本無料でプレミアムプランが月額約9,900ウォン(約1,100円)程度です。まずは無料版から始めてみるのがよいでしょう。
カロリー計算アプリは優れた「鏡」です。しかし、鏡が人を救ってくれるわけではありません。韓医学では、同じカロリーを摂取しても、脾胃(消化器)機能や水分代謝がどのように働いているかによって、脂肪がつく部位や痩せるスピードが変わると考えます。
数字をコツコツ記録してもなかなか痩せない方、食事量を減らしているのに浮腫(むくみ)がなかなか取れない方は、アプリのデータを持って一度当院へお越しください。診察室で食事記録を一緒に見ながら、体質やどこが滞っているのかを確認し、必要であれば白鹿潭感肥錠で脾胃機能と水分代謝を整えるお手伝いをいたします。アプリはデータを集め、韓医学はそのデータを身体の言葉で読み解く役割を果たします。両方を活用することで、ダイエットの迷路からより早く抜け出せるはずです。