最近流行のケトジェニック(低糖質高脂質)ダイエットについて、漢方医院ではどのようなステップでガイドされていますか?
ケトジェニックは単に肉を多く食べる食事法ではなく、脂質を主エネルギーとして使う体質へと変える過程です。私もかつて無計画に挑戦し、ひどい目眩に悩まされた経験があります。当院ではまず消化力を確認し、体内の老廃物である「痰飲(たんいん)」を管理しながら、段階的に脂質代謝がスムーズな体へと整えます。これは、いわば体内の火を消し、エンジンの種類を切り替えるような作業です。
ケトジェニックダイエットは、体の燃料をブドウ糖から脂質へと切り替えるプロセスです。漢方ではこれを体内エネルギーシステムを根底から変える大きな変化と捉えます。準備なしに始めると「ケトフル」と呼ばれる倦怠感やめまいに見舞われやすいため、当院では以下の4段階の順序を推奨しています。
1. まずは「脾虚(ひきょ)」を確認し、消化器から整備しましょう。脾の運化機能(消化吸収力)が弱いと、急に入ってくる高脂質食に耐えられません。脂っこいものを分解できる準備ができているかを見極めることが先決です。
2. 次に「痰飲(たんいん)」と「瘀血(おけつ)」の除去です。代謝の過程で生じたゴミをまず掃除する必要があります。体内の老廃物を放置したままでは、脂質がうまく燃焼されないどころか、毒素のように停滞して体を重くさせてしまいます。
3. 糖質制限と同時に「気虚(ききょ)」を防止します。糖質を減らせば一時的に活力が落ちるのは当然ですが、この時に気力を補う漢方薬を併用すれば、日常生活に支障をきたすことなくエネルギーを維持できます。
4. 良質な脂質の摂取と循環の管理も重要です。どんな油でも良いわけではなく、炎症を抑える質の高い脂質を選び、血流を促すことで脂質の代謝産物がスムーズに排出されるよう導きます。
私自身の経験からも言えることですが、単に空腹を我慢するのが正解ではありません。自分の体が脂質を燃やせる「状態」にあるかを確認することが、失敗しないダイエットの第一歩です。
医療者による確認