肥満の原因
Q. 体質によって肥満の原因が異なると言われていますが、どのような基準で分析するのか知りたいです。
A.
✓ 消化状態:食後の膨満感や便秘・下痢の傾向 → 脾虚の可能性。✓ 体温と冷え:手足が冷え、下腹部が冷たい場合 → 腎虚や陽虚の体質。✓ 水分代謝:むくみやすく汗が少ない → 痰飲や湿痰の要因。✓ ストレス反応:緊張時に食欲が爆発したり胃が痛む → 肝鬱関連の肥満。この四つを基本に、脈診や舌診で補完し体質別のアプローチをとります。
📝 詳細回答
体質別の肥満原因を分析する際には、大きく四つの軸をみます。
第一に、消化機能です。食後にお腹が張ったり、その状態が長く続き、便秘と下痢を交互に繰り返す方は、多くが脾虚を基盤としています。脾臓が食べ物をうまく消化・吸収できないと気力が不足し、そのエネルギーが脂肪として蓄積されやすい構造になります。私も初期にこのパターンを知らず、痩せようと食事を減らした結果、かえって胃を痛めリバウンドを経験しました。
第二に、体温と冷えです。手足が異常に冷え、下腹部を触ると冷たく感じる方は、腎虚や陽虚の体質である可能性が高いです。体内の代謝の「火種」が弱く、脂肪が燃焼しにくく、水分代謝も滞って浮腫みを伴うことが多いです。
第三に、水分代謝の異常です。朝起きると顔がむくみ、一日中体が重だるく痰が絡む感覚があるなら、痰飲や湿痰の要因が主因となり得ます。この場合、単純な食事制限だけでは効果が薄く、むしろ漢方薬で湿を取り除くことで脂肪代謝が改善されることがあります。
第四に、ストレス反応のパターンです。普段から緊張したり怒ると突然食欲が爆発したり、逆に吐き気を感じながらも何かを探し続ける場合、肝鬱が肥満を促進しているケースです。肝機能が鬱滞するとストレスホルモンの調整が乱れ、特に腹部肥満と深く関連します。
これらの四つの基準を、患者さんの脈診・舌診・問診を通じて交差確認し、太陽人・少陰人などの四象体質的な素因も考慮して全体像を描きます。重要なのは「一つの体質にぴったり当てはまる」というよりも、今の体がどの方向に傾いているかをみることです。例えば脾虚が主なら脾を補うアプローチを、痰飲が混ざれば祛痰の生薬を加えるなど、個別化していきます。
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専門家監修
崔然昇
代表院長
最終レビュー 2026.05.08