基礎・原因の理解
Q. 先生、鶏むね肉のタンドリーオーブン焼きのように健康的なタンパク質中心の食事を心がけているのに、なぜ痩せずに体ばかり重く感じるのでしょうか?
A.
いくら健康的な食事を摂っても、体の「消化エンジン」が力尽きていては意味がありません。西洋医学では、高タンパクな食事は代謝過程で窒素老廃物を排出し、肝臓や腎臓に負担をかけると考えます。漢方(東洋医学)では、消化機能が低下した「脾虚(ひきょ)」の状態に注意が必要です。この状態ではタンパク質がエネルギーに変わらず、「痰飲(たんいん)」という老廃物となって体内に残り、巡りを妨げて代謝を落とす悪循環に陥るのです。
📝 詳細回答
私も以前、体を作ろうとパサパサの鶏むね肉ばかりを食べる生活を送り、めまいや体のむくみに悩まされた経験があるため、そのもどかしさは痛いほどよく分かります。当時は、ただ良い食べ物を摂るだけでなく、自分の体がそれをしっかりと「燃やせる状態」にあるかを確認することの方が、はるかに重要だということに気づけませんでした。
西洋医学の観点では、高タンパクな食事は分解の過程でアンモニアなどの毒性物質を排出します。これを処理するために肝臓や腎臓に過負荷がかかると、体にむくみや疲労感が現れます。こうした状況が繰り返されると、体内の炎症レベルが上がり、結果として痩せにくい体質に変わってしまうのです。
漢方では、この現象を「脾虚(ひきょ)」と「痰飲(たんいん)」の相関関係で解釈します。脾虚とは消化器の気が弱まった状態を指しますが、消化機能が本来の役割を果たせないと、いくら質の良いタンパク質であっても適切に分解できません。この時に生じる「燃えかす(未燃焼の老廃物)」がまさに痰飲です。
痰飲が体内に蓄積して気(き)の流れを阻害すると、血液が濁る「瘀血(おけつ)」まで引き起こすことがあります。渋滞した高速道路のように代謝効率が極端に落ちるため、食べる量を減らしても体は鉛のように重く、体重計の数値も動かないという状況が起こります。
今、患者様に必要なのは鶏むね肉をさらに食べることではありません。まずは詰まった循環路を整え、消化エンジンを回復させる治療が先決です。気力を補いながら老廃物を排出するアプローチを行えば、同じ食事内容でも体が一段と軽くなるのを実感していただけるはずです。
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専門家監修
崔然昇
代表院長
最終レビュー 2026.05.13
