水だけ飲んでも太る気がします。人並みに食べているのに、なぜ私だけ特に痩せにくいのでしょうか?
私たちの体は単なるカロリー計算機ではありません。消化力が低下すると、栄養がエネルギーに変わらず、老廃物である「痰飲(たんいん)」になりやすくなります。これが気の流れを滞らせ、太りやすい体質を作ってしまうのです。単に絶食するのではなく、代謝スイッチが切れた原因を探る必要があります。消化機能が弱まった「脾虚(ひきょ)」の状態では、無理に食事制限をしても体がむくみ、かえって肉がついてしまうことが少なくありません。
私自身も以前ダイエットをしていた際、「なぜ私だけこんなに痩せないのか」と悩んだ時期がありました。実際に試行錯誤を重ねて、ようやく根本的な原因が「体内の循環サイクルの故障」にあると気づきました。
西洋医学ではこれを基礎代謝の低下やホルモンバランスの乱れと説明しますが、韓医学ではその根底にある「脾虚(ひきょ)」に注目します。脾虚とは、脾系(消化器系)の機能が虚弱になった状態です。この機能が落ちると、摂取した食べ物を十分にエネルギーに変換できなくなります。
その過程で、体には悪循環が生じます。エネルギーとして使い切れなかったカスが体内に残ると、「痰飲(たんいん)」という老廃物になります。この痰飲が血液や気の通り道を塞ぎ、「気滞(きたい)」という状態を引き起こします。循環が滞ることで体がむくみ、その浮腫(むくみ)がそのまま定着して太ってしまうのです。
特に30代以上の社会人の方は、ストレスによって「肝」の気が滞り、消化器を圧迫することがよくあります。これを「肝脾不和(かんぴふわ)」と呼びますが、診療現場でも非常に多く見受けられるケースです。
ただ闇雲に食べないだけでは痩せません。まずは体に蓄積した「痰飲」や「瘀血(おけつ:血行障害による古い血)」を取り除き、弱った脾臓の機能を回復させる必要があります。そうすることで、水さえ飲んでも太ってしまうような「痩せにくい体質」から、健康的に抜け出すことができるのです。
医療者による確認